身体の履歴書とは?
今まで生きて経験してきたことすべてが身体に反映されています。
「身体の履歴書」とは、
肉体的、精神的に身体に残された記憶を整理して振り返り、今の身体にどう影響しているかを確認するための記録です。
身体のケガ・心の傷・内臓疾患・病気・身体や考え方のクセ・仕事・睡眠・月経・生活環境の変化など、
身体に刻み付けられた「疲労や傷」は痛みが消えても体に影響を残しています。
10歳の子供と50歳では、身体の歴史は40年も違います。
この40年間に身体に残された「疲労や傷」の影響は、筋力体力が衰え始めた時期から確実に身体へのダメージを残し蓄積しています。
今、不調や痛みを感じているところは身体のダメージを残してきた結果、自覚症状として現れている箇所であることが多く、
カウンセリングや施術の中
「ここは何か問題ありませんか?」と聞くと
「そういえば…」とお話ししてくださることがよくあります。
カウンセリングを重視し、施術前にお身体を確認することに時間をかけているのは、カウンセリングシートには書かれていないところにも、身体の不調や痛みの原因となることがある場合も多いからです。
カウンセリングシートに自覚症状や既往歴を記入するところがあるのですが、沢山チェックを入れている人もいれば、今の辛い部分のみチェックして、既往歴に手術や通院中の履歴を記入されない方もいます。
カウンセリングや施術を通し、よみがえってくる身体の履歴を書き留め、振り返って施術を組み立てることが改善への糸口となります。
私の身体の履歴書をブログで公開する理由
施術者の仕事は当たり前にお客様のお身体を「見る・触れる」ことから始まります。
そして、カウンセリングで身体の履歴などにかかわる様々なことを質問し、施術を組み立てる糸口としています。
しかし、ある時「お客様にはいろいろと質問をしているのに、自分のことは何もお伝えしていないな。これでいいのかな?」と、ふと疑問に思いました。
そして、初来店の時の不安を少しでも軽くできるといいなという思いで、店でご覧いただける自分のプライベートプロフィールを作りました。
施術中にお身体に触って確認していく中で、身体のダメージが表れているところが必ずしも不調や痛みを感じている箇所であるとは限らず、内面や外面に表れた身体の履歴を振り返ると、これまでの様々な身体の不調が重なり「負のループ」に陥っているなと感じることが多くあります。
ちょっと疲れが取れにくくなったな
時々おこる頭痛
眠れない
足が重い
朝起きると腰が痛い
浮腫みやすい
冷える
足がつる
首肩コリがひどい
例えば、このような状況の一つ一つはそれぞれの箇所で単発で起きながらも、身体には連鎖的に起こる状態になっていれば、それが負のループに陥って、生活の質を下げていく根本的な原因となっているでしょう。
辛いけど我慢しながら、
痛み止めに頼りながら、
一時的に痛みがなくなれば忘れてしまうような身体のダメージを重ね、
身体や心にストレスをため込んでいるにも関わらず、仕事の忙しさや家庭の事情などで自分のことは後回しにして日々やり過ごす。
私の20代から30代前半はこんな感じでした。
当然、その頃は波のように押し寄せてくる不調の原因もわからず、増えていく強い痛み止めに頼りながら家事育児を作業のように終わらせていました。
この疲弊した心と身体が、「負のループ」から「回復のループ」に変わっていくまでの私の身体の履歴は、時々施術の中でお話しすることもあります。
施術中にはなかなかすべてお話しすることはできないので、ブログを最後まで読んで頂いた後に、自分の身体の「疲労や傷」の履歴を振り返り、将来の自分の為に「自分を労り大切にする」きっかけになっていただけると嬉しいです。
私の身体の履歴書
【体型コンプレックス】
・下半身ぽっちゃり体型
・手足の短い低身長
・受け口
子供のころから体型のコンプレックスがあり、中学性くらいから、下半身の前ももが張っている下半身太りをかなり気にしていました。
高校生のころからは、いろいろなダイエットを繰り返し、一時的に体重が落ちてもまた戻っていました。産後は極端なダイエットで体型を維持しましたが、体調は悪くいつもどこか痛いか重く疲労感がありました。
【嚙み合わせ】小学生の時に抜歯後、歯医者に行かず歯と歯の間に隙間が空いたまま成人し、歯並びと嚙み合わせの悪い上に、骨格は受け口でずっとコンプレックスに感じていました。30代になってから空いた隙間にブリッジをかけ、歯列矯正でかみ合わせの改善をしました。
【足首捻挫】子供のころから何度かねんざを繰り返していましたが、シップで痛みが引く程度でした。20代後半に激しい捻挫をしましたが、しばらくして痛みが軽くなったので「大丈夫だろう」と自分の身体を過信しテニスをしました。更に痛みと腫れがひどくなり、1か月通院しても痛みは残りました。痛みがなくなって数年たっても時々痛みが出ましたが、長引かなかったため気にしていませんでした。
【外反母趾】19才くらいから無理してハイヒールを履いていていたので外反母趾になりました。時々痛みが出るようになり気にしていましたが、ヒールを履かないようになったら痛みが収まりました。
【胆嚢炎】19才で腹部に激痛が走り、レントゲンの結果「胆嚢炎」と診断されました。通常は加齢や偏った食事などの生活習慣により発症しやすいのですが、若い人が炎症を起こすのは珍しいと言われ不摂生を戒められ、食事と睡眠を改善し薬と何回かの通院検査で、2か月くらいで回復しました。
【頚椎症・肩首こり】20才の時、朝起きると痛みで首が動かせず、整形外科で頚椎症と診断され2週間の安静と言われました。(1日10時間くらい図面の修正作業が続く日が多く、セクハラストレスもマックスだったので、頑張ろう!という気持ちが切れてしまい退社)
その後も慢性的な首肩こりでしたが、時々シップを張ったりして、若さと気力で乗り切っていました。
酷くなったのは3人目の出産後からで、一番辛いときは吐き気がしました。そんな時は、整形外科でシップと飲み薬をもらい、定期的にハリ治療を繰り返していました。
痛みが軽いか重いかだけで、痛みのないときはあまりなかったと思います。
そんな状態を続けていると、ある日手を上に伸ばした時に、背中に激痛が走り左手の痺れと激しい痛みが続く状態になりました。ペインクリニックで頚椎に痛み止めの注射をしましたが効かず、3回目の注射でやっと痛みや痺れの箇所に効いたのですが、動きは悪く首の重みはいつもありました。
【産後の心と身体のストレス】22才、25才、27才、29才、4回の出産。25才から29才までの3回の出産で体重増加20キロ。これを其々1年で落とすために少量1食しか食べないなどの極端なダイエットを繰り返し、体重も落ちましたが体力筋力も落ちてしまいました。(今思うと気力も落ちていたと思います)
妊娠前から痛めていた首だけではなく、肩こり・頭痛・腰痛・股関節痛・疲労感・足の重さ・夜中足がつる・暴飲暴食とダイエットの繰り返しによる自己嫌悪と後悔の精神的なストレス・育児と家事に追われて自分の時間もなくなり美容面の衰えに対する不安など、精神面でのストレスが身体の痛みや不調よりもしんどかったと思います。
【冷え】
特にひどいのが寝る時で、一度足が冷えたらカイロを入れても靴下をはいても辛い冷えがありました。そのせいでなかなか寝ることができませんでした。 冬だけでなく夏もクーラーがないと寝れないけど、足とお腹が冷えて調子が悪くなっていました。
【子宮外妊娠】3人目の出産の後に子宮外妊娠になり、手術で片方の子宮を切除しました。卵管が破裂し、突然下腹部に強烈な痛みが生じ、お腹の中で大量出血していました。
【離婚】
離婚に至るまでの心理的なストレスが、産後の不調にさらに追い打ちをかけて身体を蝕んでいたと思います。
産後不調の要因の多くは、この離婚に至るまでの間の孤独感や将来への絶望と不安など、複雑な心理的ストレスの影響だと思います。
産後不調から改善したきっかけ
「恥骨骨盤矯正」
毎朝時間をかけて少しづつ動かないと痛かった腰が、恥骨矯正の翌日は普通に痛みもなく起き上がることができました。 翌日も起きれたのですが、はじめは1週間くらいでまた少しづつ痛みを感じ始めました。
約6か月くらい施術を重ねていくうちに、腰痛だけではなく、首肩の痛みもなくなり足のダルさや疲労感も軽減していきました。
なによりも、身体のどこにも痛みがないことで気持ちが若返って、いろいろ新しいことを始める意欲が出ました。
自分の身体が改善したことで「この技術を身につけたい!」と思い、すぐに修行に入り、そこから経験を積みながら学んでいくうちに、
・かみ合わせ
・首を痛めたこと
・産後の骨盤の歪み(恥骨の出っ張り)
・何度も痛めた足首
・冷え
など、これまでのいろんな身体の「痛めた痕跡」が「負のループ」になって、身体の不調が連鎖的に起こる状態になっていたんだと気づきました。
「リンパドレナージュ」
離婚後に海外に住んでいた時に、美容イベントなどで知り合った施術者仲間と知り合い、リンパドレナージュという施術に対しての見識の違いにショックを受けました。
浮腫みや痩身などの美容効果だけではなく、
・関節の可動域
・身体の恒常性を保つ(体温調整など)
・自律神経
・内臓の働き
他にもいろいろなところに影響し、リンパの施術を行うことで期待できる効果は身体を回復させるためにとても重要です。
リンパの働きの知識も浅いままに行っていたことを恥ずかしく感じ、帰国後学科に基づいた施術を学べる協会に入り学び、今はその協会のスクールも行うようになりました。
「恥骨骨盤矯正」と「リンパドレナージュ」を学び、自分の生活に取り入れたことで、産後の不調は無くなり、50代を過ぎても新しいことを始める気力と体力を維持できています。
実践しているメンテナンス方法
日常的にやっているケアで、店では簡単にできるセルフケアとしておススメしているものです。
・膣締めストレッチ
・足と手の指ストレッチ
・腹式呼吸法
骨盤恥骨矯正については自分ではできないので、膣締めをしています。
店でおススメしているセルフケアを自分でも実践しています。信号待ちや電車待ちでもできるので、これは日常的にやっています。
リンパケアについては施術の期間が空くと疲れやすくなりますので、スクールの生徒にお願いして月に2回施術してもらうようにしています。
週に1度か2度のジム通い。やっていることは少しの有酸素運動とストレッチだけです。家でもできるような呼吸に合わせたストレッチがメインです。
最後におススメはしませんが、個人的に信条としていること
「美味しい酒と美味しい食事を思いっきり楽しむ」
「ほどほどに羽目を外す」
店でもよく話題に出ますが、なんでもやりすぎは良くないです。
身体にいいことばかり出来たらいいのですが、ストレスに感じるのは良くないし続かない! そしてできなかったことで自己嫌悪や公開するのはもっと悪い!
たまに自分を甘やかしてとことん楽しむ!
そんなダメな自分も楽しんでストレス解消しています。
・自分の好きなことをするために
・自分の足でどこにでも行けるように
・やりたいことを身体や年のせいで諦めなくていいように
先ずはできることから!
身体のメンテナンスは「明日の自分の為」にはじめていきましょう!